英国ETA(電子渡航認証)とは?仕組みと日本人への影響
イギリスの電子渡航認証(ETA)がどのような制度で、なぜ導入されたのか、ビザやヨーロッパのETIASとは何が違うのかを、英国政府の一次情報をもとに解説します。
最終確認日:2026年9月24日 · 出典:GOV.UK ほか
英国ETA(電子渡航認証)は、ビザなしでイギリスを訪れる旅行者が出発前にオンラインで取得する渡航許可です。日本国籍の方は2025年1月8日以降の渡航で必要となり、申請料は20ポンド、有効期間は2年間、1回の滞在は最長6か月です。
ETAは「Electronic Travel Authorisation」の略で、日本の外務省や在英国日本国大使館は「電子渡航認証(ETA)」と表記しています。アメリカのESTAに近い仕組みと考えるとイメージしやすいでしょう。
「電子渡航認証」は「でんしとこうにんしょう」と読みます。旅行会社や航空会社の案内では「イギリスETA」「英国ETA」「UK ETA」などとも呼ばれますが、いずれも同じ制度を指しています。
要点
- 対象:ビザを持たずに短期間イギリスを訪れる日本国籍の方(赤ちゃん・子どもを含む全員)
- 料金:20ポンド(2026年4月8日から。返金不可)
- 有効期間:2年間、またはパスポートの有効期限までのいずれか短い方
- 滞在:1回につき最長6か月、有効期間中は何度でも入国可能
- 対象地域:イギリス本土と北アイルランド、ジャージー、ガーンジー、マン島
- 申請先:公式アプリ「UK ETA」またはGOV.UKのみ
ETAの仕組み
ETAは、申請に使ったパスポートに電子的にひも付けられる許可です。紙の許可証やシールは発行されず、承認されると16桁のETA番号が記載されたメールが届きます。イギリスに到着したら、入国審査でETAを取得したパスポートを提示するだけで確認されます(GOV.UK)。
航空会社などの運送事業者は、搭乗前に乗客がETAなどの渡航許可を持っているかを確認します。そのため、ETAがない場合は日本を出発する段階で搭乗を断られることがあります。
ETAは入国の保証ではありません
ETAはイギリスへ向かうための許可であり、入国を約束するものではありません。入国を認めるかどうかは、到着時の入国審査で判断されます(GOV.UK)。
導入の経緯とスケジュール
英国内務省(Home Office)によると、ETAは2023年10月に一部の国籍を対象に始まり、2025年末までに合計2,480万件が発行されました(Home Office ETAファクトシート 2026年4月)。日本に関係する主な日付は次のとおりです。
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2024年11月27日 | 日本を含むヨーロッパ以外の国籍の申請受付開始 | GOV.UK |
| 2025年1月8日 | 日本国籍の方の渡航にETAが必要に | GOV.UK・ANA |
| 2025年4月9日 | 申請料が10ポンドから16ポンドに | Home Office |
| 2026年2月25日 | ETAのない乗客の搭乗を認めない運用を本格化 | GOV.UK・外務省 |
| 2026年4月8日 | 申請料が16ポンドから20ポンドに | Home Office |
2025年1月8日から「必要」になり、2026年2月25日から「持っていないと実際に搭乗できない」運用に移った、と理解するとわかりやすいでしょう。料金の変遷は「ETAの料金と有効期間」、制度変更の履歴は「最新情報」にまとめています。
ETAでできること・できないこと
ETAで認められる活動と認められない活動は、GOV.UKの「What you can and cannot do with an ETA」に整理されています。
| ETAでできること | ETAではできないこと |
|---|---|
| 観光・休暇 | 6か月を超える滞在 |
| 家族や友人の訪問 | 英国の企業での就労(有給・無給を問わない)や、英国での自営業 |
| 商談・会議などの出張 | 公的給付(社会保障)の受給 |
| 6か月以内の短期留学 | 短期訪問を繰り返してイギリスで生活すること |
| 入国審査を通る乗り継ぎ | 結婚・シビルパートナーシップの登録(Marriage Visitor visaが必要) |
このほか、一定の条件を満たすクリエイティブ職の方の短期の活動や、許可された有償の依頼(Permitted Paid Engagement)など、GOV.UKが定める例外があります。該当しそうな場合は、GOV.UKの原文で条件を確認してください。
ETAとビザの違い
日本国籍の方が観光でイギリスを訪れる場合、GOV.UKの判定ツールでは「ETAまたはStandard Visitor visa(標準訪問ビザ)」が必要と表示されます(GOV.UK Check if you need a UK visa)。多くの方にとってはETAで十分ですが、両者には次の違いがあります。
| 項目 | ETA | Standard Visitor visa(標準訪問ビザ) |
|---|---|---|
| 料金 | 20ポンド | 135ポンド |
| 滞在期間 | 1回最長6か月 | 最長6か月 |
| 申請方法 | アプリまたはウェブ | ETAとは別のビザ申請手続き |
| 向いている人 | 一般的な観光・出張・短期留学 | 犯罪歴がある方、過去に入国を拒否されたことがある方など |
料金の出典は英国内務省の手数料表です。6か月を超える留学やワーキングホリデー、就労、結婚にはそれぞれ別のビザが必要です(外務省)。詳しくは「ETAが必要な人・不要な人」をご覧ください。
迷ったときは、滞在期間が6か月以内か、英国で働くことにならないかの2点を確認すると判断しやすくなります。どちらかに当てはまらない場合は、ETAではなくビザを検討してください。
ヨーロッパのETIAS・EESとの違い
イギリスはEUを離脱しているため、ETAはイギリス独自の制度です。EU(シェンゲン圏)への渡航には別の仕組みが関係します。
- ETIAS(欧州渡航情報認証制度):2026年9月24日時点でまだ運用されておらず、開始日は公式に発表されていません。EUは開始の数か月前に告知するとしています。料金は20ユーロ(欧州委員会)、有効期間は3年間(またはパスポートの有効期限まで)と定められています(ETIAS規則第36条第5項)。
- EES(出入国システム):2025年10月12日に段階的に始まり、2026年4月10日から全面運用されています。事前申請ではなく、国境で出入国を電子的に記録する仕組みです。
イギリスとフランスなどを周遊する場合の注意点は「ETAとETIASの違い」で解説しています。
日本政府の案内
日本語で公式の情報を確認したい場合は、外務省の海外安全ホームページ「英国 査証、出入国審査等」と、在英国日本国大使館のETAのページが参考になります。どちらも、申請は英国政府のサイトから行うよう呼びかけ、高額な手数料を求めるサイトやフィッシング詐欺に注意するよう案内しています。渡航中の安全情報を受け取るには、外務省の「たびレジ」への登録もおすすめです。
申請の具体的な手順は「ETAの申請方法」、よくある疑問は「よくある質問」をご覧ください。
参考資料(一次情報)
- GOV.UK Electronic travel authorisation (ETA):https://www.gov.uk/eta
- GOV.UK Apply for an ETA:https://www.gov.uk/eta/apply
- GOV.UK What you can and cannot do with an ETA:https://www.gov.uk/eta/what-you-can-cannot-do
- Home Office ETA factsheet (April 2026):https://homeofficemedia.blog.gov.uk/electronic-travel-authorisation-eta-factsheet-april-2026/
- 外務省 海外安全ホームページ 英国 査証、出入国審査等:https://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbimmigration_154.html
- 在英国日本国大使館 ETA:https://www.uk.emb-japan.go.jp/itpr_ja/ETA.html
本サイトは英国政府の公式サイトではありません。申請は公式サイト(GOV.UK)またはUK ETAアプリから行ってください。当サイトはチェコ共和国の民間企業が運営する非公式の情報サイトで、英国政府・日本政府とは関係がなく、申請の代行も行っていません。ETAはご本人がGOV.UK(gov.uk/eta/apply)または公式アプリ「UK ETA」から20ポンドで申請できます。掲載内容は一般的な情報であり、法律・入国管理に関する助言ではありません。制度は変更されることがあるため、渡航前に必ずGOV.UKと在英国日本国大使館の最新情報をご確認ください。運営者情報・免責事項